メディア

内定後の年収交渉は可能? | 伝え方とタイミングの考え方

内定後の年収交渉は可能? | 伝え方とタイミングの考え方

目次

内定をもらえたのは嬉しい。でも、提示された年収が思っていたより低かった。
そんな経験をされた方もいるのではないでしょうか?

「交渉したい気持ちはあるけれど、印象が悪くなったらどうしよう」「せっかくの内定が取り消されたら」。そんな不安が頭をよぎり、結局そのまま受け入れてしまう方も少なくありません。

しかし、年収交渉は決して珍しいことではありません。転職時に年収交渉を行った人は**55.9%にのぼり、そのうち85.2%**が年収アップに成功しているというデータもあります。

出典:日本の人事部

本記事では、年収交渉に踏み出せない理由を紐解きながら、実際にどう伝えればいいのかを一緒に考えていきます。

年収交渉に踏み出せない本当の理由

年収交渉をためらう気持ちは、とても自然なものです。なぜ多くの方が一歩を踏み出せないのか、その背景を整理してみましょう。

「お金の話をするのは品がない」という意識

日本では、お金について直接話すことに抵抗を感じる方が多いかもしれません。特に、これから一緒に働く相手に対して年収の話を切り出すのは、気が引けるものです。しかし、企業側にとって年収交渉は想定内のプロセスであり、それだけで評価が下がることは通常ありません。

内定取り消しへの恐れ

「交渉したら内定を取り消されるのでは」という不安もよく聞きます。ただ、常識的な範囲での交渉であれば、それを理由に内定が取り消されることは極めて稀です。むしろ、自分の価値を適切に主張できることは、ビジネスパーソンとしての姿勢として肯定的に捉えられることもあります。

相場が分からないという不安

「自分の希望額が高すぎるのか、妥当なのか分からない」という声も多くあります。市場相場を把握していないと、交渉のラインを決めにくいのは確かです。ただ、完璧な情報がなくても、現年収や希望条件をベースに交渉することは十分に可能です。

内定後の年収交渉はどこまで可能なのか

では、実際に年収交渉はどの程度できるものなのでしょうか。

直近の調査では、転職で年収が「増加」した人は**38.6%という結果が出ています。また、ミドル層に限ると49%**が年収アップを実現しているというデータもあります。

出典:厚生労働省

出典:ミドルの転職

年収交渉の余地は、いくつかの要素によって変わってきます。

企業の給与テーブルと柔軟性

大手企業では給与テーブルが厳格に決まっていることが多く、交渉の幅が限られる場合があります。一方、スタートアップや成長企業では、スキルや経験に応じて柔軟に対応してくれるケースも少なくありません。

ポジションの希少性

採用が難しいポジションや、専門性の高い職種であれば、企業側も条件面で譲歩しやすい傾向があります。自分のスキルがどれだけ希少かを把握しておくと、交渉の根拠になります。

他社選考の状況

他に選考が進んでいる企業があれば、それが交渉材料になることもあります。ただし、これを強調しすぎると駆け引きに見られる可能性もあるため、伝え方には注意が必要です。

年収交渉を成功させる伝え方のポイント

年収交渉で大切なのは、「要求」ではなく「相談」というスタンスで臨むことです。具体的なポイントを見ていきましょう。

タイミングはオファー面談が基本

年収交渉を切り出すタイミングは、内定後のオファー面談が適切です。条件提示を受けた際に、その場で即答せず「検討させてください」と伝え、改めて相談するのが自然な流れです。

希望額には根拠を添える

単に「もう少し上げてほしい」ではなく、なぜその金額を希望するのかを説明できると説得力が増します。現年収、他社の提示額、市場相場、自分が提供できる価値など、根拠となる要素を整理しておきましょう。

伝え方の例

「御社で働きたいという気持ちは変わりません。ただ、現年収や今回のポジションで期待される役割を踏まえると、年収○○万円程度をご検討いただけないでしょうか」

このように、入社意欲を示しつつ、具体的な希望を伝えるのがポイントです。

年収以外の条件も視野に入れる

基本給の交渉が難しい場合でも、入社時の一時金、賞与の評価基準、昇給タイミングなど、他の条件で調整できることもあります。柔軟に交渉の幅を持っておくと、双方にとって納得感のある着地点が見つかりやすくなります。

年収交渉をした人のうち**90.3%**が提示額より年収アップしたというデータもあり、伝え方次第で結果が変わる可能性は十分にあります。

出典:マイナビ転職

交渉がうまくいかなかったときの考え方

もちろん、交渉がすべてうまくいくとは限りません。希望通りにならなかったとき、どう考えればいいのでしょうか。

年収だけがすべてではない

提示年収が希望に届かなかったとしても、その企業で得られる経験、成長機会、働き方など、総合的に判断することが大切です。入社後の評価で年収が上がる可能性もあります。短期的な金額だけでなく、中長期的なキャリアへの影響も考慮してみてください。

納得できないなら、辞退も選択肢

交渉しても納得できる条件にならなかった場合、その企業を辞退するという判断もあり得ます。無理に入社して後悔するよりも、自分が納得できる環境を選ぶことが、長い目で見れば正解になることもあります。

交渉した経験は次に活きる

たとえ今回うまくいかなかったとしても、年収交渉を経験したこと自体が、次のキャリアに活きてきます。自分の市場価値を言語化し、相手に伝える力は、転職に限らずビジネスの様々な場面で役立つスキルです。

まとめ

内定後の年収交渉について、ポイントを整理します。

  • 年収交渉は珍しいことではなく、半数以上の転職者が交渉を行っている
  • 交渉する際は「要求」ではなく「相談」のスタンスで、希望額の根拠を伝える
  • 基本給が難しければ、他の条件での調整も視野に入れる
  • 結果に関わらず、交渉の経験は今後のキャリアに活きる

年収交渉に踏み出すのは、少し勇気がいることかもしれません。でも、自分の価値を適切に伝えることは、決して悪いことではありません。納得のいく形で新しいキャリアをスタートするために、できる準備をしておきましょう。

記事監修者:渡辺 貴明

メルセネール株式会社取締役。東京工業大学工学部卒業。大学卒業後、独立系コンサルティングファームにて製造業のクライアントを中心に業務改革支援に従事。その後、アビームコンサルティング株式会社の戦略部門に転じ、経営戦略・事業戦略策定やM&A、新規事業開発、組織/人材開発に従事。メルセネール株式会社では事業責任者を務める。

関連記事