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経理の転職 | 市場動向とキャリアアップのポイント

経理の転職 | 市場動向とキャリアアップのポイント

目次

経理の転職を考えているけれど、「今の市場はどうなんだろう」「年収は上がるのかな」と不安を感じていませんか。経理・財務の転職市場は、求人倍率が1倍を超える見込みで、経験者にとっては有利な状況が続いています。

ただし、経理・財務求人のうち、未経験OKはわずか10.3%というデータもあります。つまり、経験者には門戸が開かれている一方、未経験からの転職は簡単ではないということです。

本記事では、経理の転職市場の実態と、キャリアアップを実現するためのポイントについて解説します。

経理の転職市場、今どうなってる? | 需要と年収の実態

まずは、経理の転職市場の「今」を見ていきましょう。

求人倍率は上昇傾向 | 経験者には追い風

経理・財務の転職市場は、経験者にとって追い風が吹いています。

MS-Japanの調査によれば、経理・財務の転職市場は求人倍率が1倍を超える見込みで、経験者優位の状況にあるとされています。また、アガルートキャリアの記事でも、経理の有効求人倍率は上昇傾向にあると報告されています。

出典:MS-Japanアガルートキャリア

求人倍率が1倍を超えるということは、求職者よりも求人の方が多いということ。つまり、経験のある経理担当者にとっては、選択肢が豊富にある状況です。

でも、未経験には厳しい現実も

一方で、未経験者にとっては厳しい状況もあります。

MS-Japanの調査によれば、経理・財務求人のうち、未経験OKはわずか10.3%です。

出典:MS-Japan

これは何を意味するのでしょうか。約9割の求人は、何らかの経理経験を求めているということです。未経験から経理への転職を目指す場合、かなり限られた選択肢の中から探す必要があります。

平均年収は500万円台前半

経理職の年収は、どのくらいなのでしょうか。

経理職の平均年収データ

  • 日経転職版: 経理・財務・会計職種平均年収 541.5万円
  • ジャスネットコミュニケーションズ調査: 経理職(正社員)平均年収 529万円
  • エッジコネクション: 経理職求人の目安年収 500〜600万円が最多層

出典:日経キャリアジャスネットキャリアエッジコネクション

平均年収は概ね530〜540万円程度で、求人の多くは500〜600万円のレンジに集中しています。

転職希望者の年収層

MS-Japanの調査によれば、経理・財務の転職希望者の年収層は、400万〜599万円が最多で47.0%を占めています。

出典:PR TIMES

これは、現在400〜500万円台の年収の人が、転職によるキャリアアップを目指しているということです。転職により、この層から600万円以上への年収アップを狙うことも可能です。

市場の現状が示すこと

これらのデータから、以下のことが分かります。

  • 経験者には転職のチャンスが豊富にある
  • 未経験からの転職は難易度が高い
  • 平均年収は500万円台前半だが、転職により年収アップの可能性がある
  • 多くの転職希望者が年収400〜500万円台から、さらなるアップを目指している

経理の転職市場は、経験とスキルを持つ人にとっては有利な状況にあると言えます。

経理転職で評価されるスキルと経験 | 何が求められる?

経理の転職では、どんなスキルや経験が評価されるのでしょうか。

資格保有率は90.5% | 簿記2級が鍵

MS-Japanの調査によれば、経理・財務転職決定者のうち、90.5%が何らかの資格保有者です。また、簿記2級取得者が73.3%を占めています。

出典:PR TIMES

これは何を意味するのでしょうか。転職に成功している人の9割以上が資格を持っているということです。

経理転職で評価される主な資格

  • 簿記2級: 73.3%が保有、経理転職の標準的な資格
  • 簿記1級: より高度な知識の証明
  • 税理士: 税務に強い証明
  • 公認会計士: 最高レベルの専門性
  • USCPA(米国公認会計士): 英語力と国際会計基準の知識

簿記2級を持っていない場合、まずはこれを取得することが転職の第一歩と言えるでしょう。

実務経験の内容が重要

資格も大切ですが、実務経験の内容がより重要です。

経理転職で評価される実務経験

  • 決算業務: 月次決算、四半期決算、年次決算
  • 財務諸表作成: 貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書
  • 税務申告: 法人税、消費税などの申告業務
  • 監査対応: 会計監査への対応経験
  • 予算管理: 予算策定、予実管理

特に、決算業務の経験は多くの求人で求められます。月次決算だけでなく、年次決算まで担当した経験があると、評価が高まります。

経験年数はどのくらい必要?

未経験OKが10.3%しかないということは、ほとんどの求人で経験が求められるということです。

一般的な経験年数の目安

  • 1〜3年: 経理アシスタント、経理スタッフレベル
  • 3〜5年: 経理担当者、決算業務の経験者
  • 5年以上: 経理リーダー、経理マネージャー候補

経験年数が長いほど、選択肢は広がります。ただし、年数だけでなく、どんな業務を担当してきたかが重要です。

システムスキルも評価される

近年、経理業務のデジタル化が進んでおり、システムスキルも評価されます。

評価されるシステムスキル

  • 会計ソフト: 弥生会計、freee、マネーフォワードなど
  • ERPシステム: SAP、Oracle、勘定奉行など
  • Excel: 関数、ピボットテーブル、マクロなど
  • RPAツール: 業務自動化の経験

特に、大企業への転職では、ERPシステムの経験が求められることが多くあります。

英語力が求められるケースも

外資系企業やグローバル企業では、英語力が必須条件となることがあります。

英語が求められる業務

  • 英文財務諸表の作成
  • 海外拠点とのやり取り
  • IFRSに基づく会計処理
  • 海外監査法人との対応

英語力があることで、年収レンジの高い求人にもアクセスできるようになります。

企業タイプ別の経理の働き方 | 自分に合う環境は?

企業のタイプによって、経理の働き方は大きく変わります。

大企業の経理で働くということ

大企業の経理は、分業体制と専門性が特徴です。

大企業経理の特徴

  • 年収水準: 比較的高く、500〜700万円程度
  • 組織体制: 複数名の経理部員がおり、分業体制
  • 業務内容: 決算、税務、資金管理など専門分化
  • 働き方: 繁忙期(決算期)は忙しいが、閑散期は比較的落ち着く

向いている人

  • 特定の経理領域で専門性を深めたい
  • 安定した環境で長期的にキャリアを築きたい
  • チームで協働しながら業務を進めたい

気をつけたいこと

  • 専門分化により、特定業務に限定される可能性
  • 全体を見る機会が少ない
  • 意思決定プロセスが長い

中小企業の経理で働くということ

中小企業の経理は、幅広い業務経験が特徴です。

中小企業経理の特徴

  • 年収水準: 企業規模により400〜600万円程度
  • 組織体制: 少人数、または一人経理
  • 業務内容: 経理全般を幅広く担当
  • 働き方: 経営陣との距離が近い

向いている人

  • 経理業務を幅広く経験したい
  • 経営に近い立場で仕事をしたい
  • 裁量を持って働きたい

気をつけたいこと

  • 業務範囲が広く、専門性が深まりにくい
  • 一人経理の場合、相談相手がいない
  • 業務負荷が高い可能性

会計事務所・税理士法人で働くということ

会計事務所や税理士法人は、複数の企業の経理を担当します。

会計事務所の特徴

  • 年収水準: 経験により350〜600万円程度
  • 業務内容: 複数のクライアント企業の経理・税務
  • スキル: 幅広い業界・規模の企業に対応
  • 働き方: 繁忙期(確定申告時期など)の業務負荷が高い

向いている人

  • 様々な業界・企業の経理を経験したい
  • 税務の専門性を高めたい
  • 将来、独立を考えている

気をつけたいこと

  • クライアントワークのため、納期プレッシャーが強い
  • 繁忙期の長時間労働
  • 一つの企業に深く関わりにくい

スタートアップで働くということ

スタートアップの経理は、裁量と成長機会が特徴です。

スタートアップ経理の特徴

  • 年収水準: 企業の資金調達状況により変動
  • 業務内容: 経理だけでなく、財務、IPO準備なども
  • 裁量: 経理体制を自ら構築できる
  • 成長: 企業の成長とともに自分も成長

向いている人

  • 事業の初期段階から関わりたい
  • 経理体制を構築する経験を積みたい
  • リスクを取ってでも成長機会を優先する

気をつけたいこと

  • 企業の存続リスクが相対的に高い
  • 長時間労働になる可能性
  • 体系的な教育が受けられない場合が多い

経理のキャリアアップ戦略 | 年収を上げる方法

経理として、どうすれば年収を上げられるのでしょうか。

経験を積んで市場価値を高める

経理の年収は、経験とスキルにより大きく変わります。

経験年数別の年収目安

  • 1〜3年: 300〜400万円
  • 3〜5年: 400〜500万円
  • 5〜10年: 500〜650万円
  • 10年以上(マネージャー): 650〜800万円以上

現在400〜500万円台の人(転職希望者の47%)が、経験を積んで600万円以上を目指すことは、十分に現実的です。

資格取得でスキルを証明する

前述の通り、転職決定者の90.5%が何らかの資格を持っています。

資格取得の優先順位

  1. 簿記2級(まだ持っていない場合): 73.3%が保有、経理転職の必須資格
  2. 簿記1級(さらなるスキルアップ): より高度な知識の証明
  3. 税理士科目合格(税務に強みを持つ): 専門性の証明
  4. USCPA(グローバル企業を目指す): 英語力と国際会計の証明

資格取得により、応募できる求人の幅が広がり、年収交渉も有利になります。

マネジメント経験を積む

経理で高年収を目指すには、マネジメント経験が重要です。

マネジメントスキルの獲得方法

  • 経理チームのリーダーを経験する
  • 後輩の指導・育成を担当する
  • 部門横断のプロジェクトをリードする
  • 経理体制の改善提案を主導する

マネジメント経験があることで、経理マネージャーやCFO候補のポジションにも応募できるようになります。

業界を選ぶ

経理の年収は、業界によっても異なります。

年収が高い傾向の業界

  • 金融・保険
  • 商社
  • IT・テクノロジー
  • 製薬・医療機器
  • コンサルティング

これらの業界では、経理職でも比較的高い年収が期待できます。

転職のタイミングを見極める

転職により年収を上げるには、タイミングも重要です。

転職に適したタイミング

  • 年次決算を一通り経験した後(経験の証明)
  • 新しいスキルを習得した直後(資格取得など)
  • 現職で一定の成果を出した後(3年以上が目安)
  • 市場が売り手市場のとき(現在は比較的良い状況)

焦って転職するのではなく、市場価値が高まったタイミングで転職することで、年収アップの可能性が高まります。

複数の選択肢を比較する

転職活動では、複数の企業と並行して選考を進めることが一般的です。

ただし、複数の選考を進める中で、こんな悩みも出てくるかもしれません。

  • 各企業での自分の評価がどれくらいなのか見えない
  • 他の候補者と比べて、自分の強みは何なのか分からない
  • 企業側の本気度が読めない
  • 本当に自分に合う企業はどこなのか判断が難しい

こうした情報が不足したまま進めると、最終的な判断に迷いが生じることもあります。

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まとめ

経理の転職市場は、経験者にとって追い風が吹いています。

この記事のポイントをまとめます。

  • 求人倍率は1倍超えで経験者優位だが、未経験OKは10.3%と厳しい
  • 平均年収は530〜540万円程度、転職により年収アップの可能性がある
  • 転職決定者の90.5%が資格保有者、簿記2級は73.3%が持っている
  • 企業タイプにより働き方が異なるため、自分の優先事項に合った選択が重要

経理の転職では、資格と実務経験の両方が評価されます。簿記2級を取得し、決算業務などの経験を積むことで、市場価値が高まります。

現在400〜500万円台の年収の人が、転職により600万円以上を目指すことは十分に可能です。経験を積み、資格を取得し、マネジメントスキルを身につけることで、着実にキャリアアップできます。

記事監修者:渡辺 貴明

メルセネール株式会社取締役。東京工業大学工学部卒業。大学卒業後、独立系コンサルティングファームにて製造業のクライアントを中心に業務改革支援に従事。その後、アビームコンサルティング株式会社の戦略部門に転じ、経営戦略・事業戦略策定やM&A、新規事業開発、組織/人材開発に従事。メルセネール株式会社では事業責任者を務める。

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