「35歳限界説」はいつの時代の話をしているのか?
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「転職は35歳まで」という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。いわゆる「35歳限界説」は、転職を考える多くの人の頭の片隅にある不安の種です。しかし、この説は本当に今の転職市場を反映しているのでしょうか。
厚生労働省の雇用動向調査によると、転職者全体に占める35歳以上の割合は年々増加しています。2019年には 58.2% だったものが、2022年には 63.1% にまで上昇しました。つまり、現在の転職市場では 転職者の6割以上が35歳以上 という実態があるのです。
出典:厚生労働省 雇用動向調査
年度 | 35〜44歳 | 45〜54歳 | 55歳以上 | 35歳以上合計 |
2022年 | 25.9% | 23.3% | 13.9% | 63.1% |
2021年 | 25.2% | 22.8% | 13.4% | 61.4% |
2020年 | 24.7% | 22.1% | 12.6% | 59.4% |
2019年 | 24.9% | 21.6% | 11.7% | 58.2% |
この数字を見ると、「35歳限界説」がいかに現実と乖離しているかが分かります。もちろん、若手と比較すれば求人の選択肢が異なる面はあるでしょう。しかし、「35歳を過ぎたら転職できない」という認識は、もはや過去のものと言わざるを得ません。
問題は、この古い常識に囚われて、本来あるはずの機会を自ら閉ざしてしまっていないか、という点です。
35歳の転職で企業が本当に見ているポイントとは
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35歳での転職に不安を感じる人の多くは、「年齢で足切りされるのではないか」と心配しています。しかし、企業が35歳前後の候補者に対して本当に見ているポイントは、年齢そのものではありません。
では、何を見ているのでしょうか。
35歳という年齢は、多くの場合、社会人経験が10年以上あることを意味します。企業がこの層に期待するのは、その経験を通じて培われた 即戦力としての実務能力 と 組織への貢献度 です。
具体的には、以下のような点が評価の対象となります。
- これまでのキャリアで何を成し遂げてきたか
- 専門性やスキルがどの程度の水準にあるか
- マネジメント経験や後輩育成の実績があるか
- 新しい環境に適応し、成果を出せる柔軟性があるか
つまり、35歳の転職では「何歳か」よりも「何ができるか」が問われるのです。年齢を気にするあまり、自分の強みを十分にアピールできなければ、それこそが機会損失につながります。
逆に言えば、これまでの経験を言語化し、転職先でどう貢献できるかを明確に示せる人にとって、35歳という年齢はむしろ武器になり得るのではないでしょうか。
年齢を「弱み」と捉える人が見落としている視点
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「35歳だから不利」と考える人は少なくありません。しかし、その思い込みによって見落としている視点があります。それは、35歳前後の転職者が実際に年収アップを実現しているという事実です。
マイナビ転職の調査によると、30代で転職した人のうち 41.8% が年収アップを実現しています。さらに、100万円以上アップした人は約5人に1人(18.0%) に達しています。
出典:マイナビ転職「転職による年収アップの実態調査」(2024年10月発表)
また、マイナビ転職動向調査2025によると、35〜39歳男性の転職後平均年収は 602.8万円 で、転職前と比較して +27.9万円 の増加となっています。この年代の年収アップ率は男性で 49.5%、女性で 41.3% と、決して低くない水準です。
厚生労働省の雇用動向調査でも、35〜44歳の転職者のうち賃金が増えた割合は 35.8% と報告されています。
出典:厚生労働省 雇用動向調査
これらの数字が示すのは、35歳という年齢が転職市場で「弱み」になるとは限らないということです。むしろ、経験とスキルを適切に評価してくれる企業と出会えれば、年収アップを含めたキャリアアップの可能性は十分にあります。
年齢を理由に自分の可能性を狭めてしまうのは、データが示す現実とは異なる判断をしていることになりはしないでしょうか。
35歳で転職しない選択は、本当にリスクがないのか
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35歳での転職にはリスクがある——これは多くの人が感じていることでしょう。新しい環境への適応、年収ダウンの可能性、家族への影響。こうした懸念から、転職を思いとどまる人も少なくありません。
しかし、ここで一つ問い直してみてください。「転職しない」という選択には、本当にリスクがないのでしょうか。
現在の会社に留まり続けることで、以下のようなリスクが生じる可能性があります。
- 市場価値の停滞や低下
- スキルや経験の幅が広がらない
- 業界や会社の将来性への依存
- キャリアの選択肢が年齢とともに狭まる
特に注意すべきは、「動かない」ことで失われる機会は目に見えにくいという点です。転職活動をしてみて初めて、自分の市場価値や他社での可能性に気づくケースは珍しくありません。
もちろん、転職が常に正解というわけではありません。現職でのキャリアアップが見込める場合や、今の環境に満足している場合は、無理に動く必要はないでしょう。
ただし、「年齢的に遅いから」という理由だけで転職を諦めるのは、リスク回避のつもりが別のリスクを抱え込むことになりかねません。35歳という節目だからこそ、「動くリスク」と「動かないリスク」の両方を冷静に天秤にかけてみる価値があるのではないでしょうか。
まとめ
35歳の転職は、かつて言われていたほど「限界」ではありません。むしろ、現在の転職市場では35歳以上の転職者が多数派となっています。
- 転職者の6割以上が35歳以上という現実がある
- 企業が見ているのは年齢ではなく「何ができるか」
- 35歳前後の転職者の約4〜5割が年収アップを実現している
- 「転職しない」選択にもリスクがあることを忘れてはならない
「35歳限界説」に囚われて機会を逃すことこそが、最大のリスクかもしれません。年齢を言い訳にするのではなく、自分のキャリアを客観的に見つめ直す機会として転職活動を捉えてみてはいかがでしょうか。
