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会計士が転職で市場価値を最大化するための戦略と具体的な進め方

会計士が転職で市場価値を最大化するための戦略と具体的な進め方

目次

公認会計士の転職市場は、今「売り手市場」の状況が続いています。2023年の求人動向を見ると、公認会計士向け求人の**約67.8%**がインハウス(企業内会計)求人となっており、事業会社からの採用ニーズが急速に高まっています。

転職決定者の勤務先割合も、インハウス63.9%、監査法人15.7%、会計事務所14.5%と、事業会社への転職が主流になりつつあります。監査法人でキャリアを積んできた会計士にとって、今は転職市場での選択肢が最も広がっている時期と言えるでしょう。

この記事では、会計士が転職で市場価値を最大化するための具体的な戦略と、今すぐ始めるべきアクションをお伝えします。

出典:JMSC

会計士の転職市場と今キャリアを考えるべき理由

公認会計士の平均年収は約922万円と、専門職の中でも高い水準にあります。しかし、この数字はあくまで平均であり、どのようなキャリアを選択するかによって年収には大きな差が生まれます。

出典:TAC

今、会計士がキャリアを真剣に考えるべき理由は以下の通りです。

事業会社からの採用ニーズが急増している

企業のガバナンス強化、IPO準備、M&A増加に伴い、会計・財務の専門知識を持つ人材への需要が高まっています。CFOや経理部長といった経営に近いポジションで、会計士の専門性が求められる場面が増えています。

監査法人のキャリアパスに限界を感じる人が増えている

監査法人でパートナーを目指すキャリアは、ポジションの限られた競争の中で長期間を要します。また、監査業務中心のキャリアでは、事業サイドの経験が積めないことへの不安を感じる会計士も少なくありません。

市場価値が高いうちに動くことの重要性

会計士の転職市場は現在「売り手市場」ですが、この状況がいつまで続くかはわかりません。市場価値が高く、選択肢が豊富な今こそ、自分のキャリアを主体的に選ぶ絶好のタイミングです。

出典:キャリアアドバイザー

会計士の転職先5つの選択肢とそれぞれの特徴

会計士の転職先は多様化しています。主な選択肢とそれぞれの特徴を整理します。

1. 事業会社(インハウス)

転職決定者の63.9%が選ぶ最も人気の高い選択肢です。経理・財務部門、経営企画、内部監査など、ポジションは多岐にわたります。CFOや経理部長クラスでは年収800万円以上の求人も多く、経営に近い立場で働けることが魅力です。ワークライフバランスの改善を求める会計士にも選ばれています。

出典:JMSC

2. コンサルティングファーム・FAS

M&Aアドバイザリー、財務デューデリジェンス、事業再生など、高度な専門性を活かせる領域です。監査法人での経験を直接活かしやすく、年収も高水準を維持できるケースが多いです。一方で、プロジェクトベースの働き方となるため、繁忙期の負荷は監査法人と同等かそれ以上になることもあります。

3. 監査法人(他法人への転職)

Big4間の転職や、中堅・中小監査法人への転職も選択肢の一つです。転職決定者の**15.7%**がこのルートを選んでいます。より専門性の高い業務に携わりたい、マネジメントポジションを目指したいなど、監査業務を続けながらキャリアアップを図る場合に有効です。

4. 税理士法人・会計事務所

転職決定者の**14.5%**が選ぶ選択肢です。税務業務やアドバイザリー業務を中心に、クライアントとの距離が近い働き方ができます。独立を視野に入れている会計士にとっては、幅広いクライアント対応の経験を積める環境として魅力があります。

5. スタートアップ・ベンチャー企業

IPO準備企業のCFOや管理部門責任者として、経営の中核を担うポジションです。ストックオプションなど、成功報酬型の報酬体系が用意されているケースもあります。リスクはありますが、経営者に近い立場で事業成長に関われる点が大きな魅力です。

出典:No-Limit

会計士が転職で年収を維持・向上させるためのポイント

会計士の転職では、年収維持・向上は十分に実現可能です。ただし、何も考えずに転職すると年収ダウンのリスクもあります。以下のポイントを押さえてください。

監査法人での経験年数を意識する

監査法人での経験は、転職市場で高く評価されます。一般的に、シニアスタッフからマネージャークラスの経験があると、事業会社でも管理職ポジションで採用されやすくなります。経験年数が浅い段階での転職は、ポジション・年収ともに選択肢が限られる可能性があります。

専門領域を明確にする

「何でもできます」よりも、「この領域に強い」という専門性がある方が、転職市場では評価されます。IPO支援、M&A、国際会計基準、内部統制など、自分の強みとなる領域を明確にし、それを軸に転職先を選ぶことで、年収交渉でも有利に働きます。

総報酬で判断する

基本給だけでなく、賞与、ストックオプション、福利厚生、残業時間なども含めた総報酬で比較することが重要です。特にスタートアップへの転職では、基本給は下がってもストックオプションで将来的なリターンが見込めるケースもあります。

複数のオファーを比較する

交渉力を高める最も効果的な方法は、複数の選択肢を持つことです。一社だけと交渉するより、複数のオファーを比較検討している状況の方が、条件交渉の余地は広がります。売り手市場の今だからこそ、複数の選択肢を確保した上で慎重に判断してください。

会計士の転職を成功させる準備と動き出すタイミング

会計士の転職を成功させるには、事前の準備が重要です。今すぐ始めるべきアクションを整理します。

キャリアの棚卸しを行う

これまで担当したクライアント業種、関与したプロジェクト、習得したスキルを整理します。「監査業務を○年」という経歴だけでなく、「IPO準備企業の監査を○件担当」「M&Aのデューデリジェンスに関与」など、具体的な経験を言語化しておくことで、転職活動での訴求力が高まります。

市場価値を客観的に把握する

自分のスキルや経験が、現在の転職市場でどのように評価されているかを確認します。スカウトサービスに登録し、どのような企業・ポジションからオファーが届くかを見ることで、客観的な市場価値が把握できます。

動き出すタイミングを逃さない

転職を考え始めたら、早めに情報収集を始めることをお勧めします。「繁忙期が終わったら」「もう少し経験を積んでから」と先延ばしにしているうちに、良い求人が他の候補者に決まってしまうこともあります。すぐに転職しなくても、市場の情報を得ておくことで、最適なタイミングで動けるようになります。

まとめ

会計士の転職市場は売り手市場であり、キャリアの選択肢が広がっています。市場価値を最大化する転職を実現するために、今すぐ始めるべきことを整理します。

  • 自分の専門領域と強みを明確にし、キャリアの軸を定める
  • 複数の選択肢を確保し、総報酬で比較検討する
  • 市場価値が高い今のうちに情報収集を始める

会計士の転職では、監査法人以外のキャリアパスが見えにくいという悩みを持つ方も少なくありません。自分の経験やスキルがどの業界・ポジションで評価されるのか、外部からの視点がなければ気づきにくいものです。

記事監修者:渡辺 貴明

メルセネール株式会社取締役。東京工業大学工学部卒業。大学卒業後、独立系コンサルティングファームにて製造業のクライアントを中心に業務改革支援に従事。その後、アビームコンサルティング株式会社の戦略部門に転じ、経営戦略・事業戦略策定やM&A、新規事業開発、組織/人材開発に従事。メルセネール株式会社では事業責任者を務める。

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